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つつみ病理診断科クリニック院長

堤寛 Yutaka Tsutsumi, M.D.

病理専門医#885、細胞診専門医#768

1951年9月9日横浜生まれ

1970年 3月 慶應義塾高等学校卒業

1976年 3月 慶応義塾大学医学部卒業(第5612号)

1980年 3月 慶応義塾大学大学院医学研究科博士課程修了

1980年 4月 東海大学医学部病理学助手

1982年 3月 医学博士(慶應義塾大学)

1986年 4月 東海大学医学部病理学講師

1988年 3月~90年1月  米国ボストン市タフツ大学医学部病理学教室留学(臨床講師)

1992年 4月 東海大学医学部病態診断系病理学部門助教授

1993年12月~94年3月  国際協力事業団の専門家派遣でケニア中央医学研究所に滞在

1996年 4月~2000年3月  東海大学医学部附属病院病理診断科科長(兼任)

2001年 6月~2017年3月  藤田保健衛生大学医学部第一病理学、教授

2017年 4月~2018年3月 はるひ呼吸器病院病理診断科、病理部長

2018年 4月 つつみ病理相談所、所長(豊明市、名鉄線前後駅前)

2019年10月 つつみ病理診断科クリニック、院長(名古屋市緑区有松)

​2021年 3月18日~ 愛知県稲沢市矢合町三吉跡1551-1 へ、つつみ病理診断科クリニックを移転

 

診断業務の実務経験歴:43年

得意・専門分野:診断病理、細胞診断、感染症病理

趣味:オーボエ演奏、メディカルエッセイ

資格:医師免許第231619号(1976.6)、剖検医第3631号(1979.9)、医学博士(慶應義塾大学大学院第649号、1982.3)、病理専門医第885号(日本病理学会、1982.3)、病理専門医研修指導医第885号(日本病理学会、2006.4)、病理専門医第24-00885号(日本専門医機構、2017.3)、細胞診専門医・指導医第768号(日本臨床細胞学会、1987.12)、教育研修指導医第0274号(日本臨床細胞学会、2015.4)、Infection Control Doctor 第1号/3586号(日本感染症学会、2000.1、2011.1)

業績(著書関係)

2019年:クイックマスター病理学(新改訂版第2版)、サイオ出版、単著 パワーアップ問題演習 病理学(改訂版).サイオ出版.単著

2017年:メディカルエッセイ集「患者さんに顔のみえる病理医」の独り言(e-book)

          第1巻:健康は生活の足元から!病気のプロのアドバイス(全63ページ)

          第2巻:ヒポクラテスも知らない!~うんちく編~(全151ページ)

          第3巻:あなたが受けている医療の源はココに~医学史編~(全79ページ)

          第4巻:病気は不思議~医学ミニ知識編~(全115ページ)

          第5巻:パーフェクトな医療は存在しない~医の諸問題編~(全125ページ)

          第6巻:哀愁の病理学~病理診断編~(全51ページ)

2015年:クイックマスター病理学(新改訂版)、サイオ出版、単著 パワーアップ問題演習 病理学.サイオ出版.単著

2013年:Pathology of Skin Infections (Nova Science Publishers, NY, USA)、単著 http://pathos223.com/bookintroduction/pathology_of_skin_infectious.html

2012年:患者さんに顔の見える病理医からのメッセージ ~あなたの“がん”の治し方は病理診断が決める!.三恵社.単著

2011年:堤先生、こんばんは.若き女性がん患者と病理医のこころの対話.三恵社.単著

2010年:父たちの大東亜戦争.戦地シンガポール・スマトラの意外な日々、幻冬舎ルネッサンス.単著

2009年:DVD版 完全病理学各論(全12巻収録)学際企画.単著

2008年:Element版 完全病理学各論.学際企画.単著

2007年:完全病理学各論全12巻.学際企画.単著

2006年:パワーアップ問題演習 病理学.医学芸術社.単著 新クイックマスター 病理学.医学芸術社.単著

2005年:完全病理学総論.医学教育出版社.単著

2003年:Pathology of Infectious Diseases CD-ROM English Version、HP.単著   http://pathos223.com/en/

2002年:改訂四版 渡辺・中根 酵素抗体法.学際企画.編集、共著

2001年:病院でもらう病気で死ぬな!現役医師が問う、日本の病院の非常識度.角川書店.単著

2001年:病理医があかす タチのいいがん、悪いがん.最新診断・治療ガイド.双葉社.単著

2000年:感染症病理アトラス.文光堂.単著 http://pathos223.com/atlas/index.htm

 

学会委員等

日本病理学会(学術評議員、病理専門医、Pathology International常任刊行委員)、日本臨床細胞学会(評議員、指導医、功労会員)、日本組織細胞化学会(評議員、編集委員)、日本感染症学会(Infection Control Doctor)、日本医学教育学会(功労会員)、医療の安全に関する研究会(常任理事)、「医と食」編集委員、「医学のあゆみ」編集協力者など

研究テーマ

病理技術(病理診断、酵素抗体法、in situ hybridizatin、アポトーシスの組織化学、酵素抗原法、NETsの組織化学)、感染症の病理、乳癌の病理診断(特にアポクリン癌の重要性)、院内感染・業務感染、医療廃棄物、安全教育、医療倫理

資格・学会活動

医学博士、病理専門医、細胞診専門医、Infection Control Doctor、日本病理学会学術評議員、日本組織細胞学会評議員、日本臨床細胞学会評議員

医療の安全に関する研究会常任理事、NPO法人ぴあサポートわかば会監事

趣味

オーボエ演奏、医学エッセイ書き

​モットー・メッセージ

・患者さんに顔のみえる病理医

・病理診断のセカンドオピニオンを受けています!

・他の人がやらない「穴埋め病理医」、「社会派病理医」を目指す。(「日本の常識、世界の非常識」を見直す)。

好きな言葉

①「心施」(心を込めて接すること)(仏教の教え「無財の七施」の一つ)

②Si bonus es,casu vivere,Sexte,potes.

 ​もしあなたが善良なら、普通に(casualに)しか生きていけないのでしょう。(善良なだけでは、生きぬいていけないのだよ)

③Teaching is learning.(教えることが最良の学習法)

​院長のつぶやき

病理診断を生業とする診断医です。診察や投薬や治療行為はしません、できません。

病理診断科には、すべての臨床科から検体が送られてきます。その検体からつくられる病理標本を顕微鏡でみて、診断をくだします。つまり、さまざまな病気に対して幅広い知識をもっている病気の専門家ともいえる医師なのです。正しい診断は適切な治療の基本です。

私自身は大学に長く籍を置いて、数えきれないほどの病理診断をしてきました。そして、20年以上にわたって、病理診断のセカンドオピニオンを受けてきました。そこで知りました。患者さんは担当医に聞きたいことを十分に聞けているとは限らないことを。とくに、病理診断という専門性の高い領域の説明に関して、担当医はあまり得意ではないのです。だから、診断をくだした病理医自身が患者さんにていねいに説明することが求められることも知りました。

大学を定年退職したことを機会に、日本遺産に認定されたこの有松の古い町並みの真ん中で、一風変わったクリニックを開院しました。通常の病理診断に加えて、病理診断のセカンドオピニオンと病気のよろず相談を受けつけます。どうか、気楽におたずねください。

妻、佐代子が主催するNPO法人ぴあサポートわかば会が実践する「がん患者のサポート」「ピアサポート」「セルフケア」を支援するとともに、「輪の和」活動としてのコンサートの実践も続けてゆきます。どうかよろしくお願いします(PDFがダウンロードできます)。

有松の町のファンである老いぼれ医者ですが、日本では貴重なこうしたユニークな活動が少しでも患者さんの役に立てば幸いです。

2016年2月18日の朝、東海大学医学部時代の教え子から、何とも嬉しいメールをもらった。彼の名は、済生会平塚病院の宮崎武志先生。今や中堅の整形外科医だ。

“先日知人から、テレビの医療ドラマで、宮崎先生という登場人物が“ザッキー”と呼ばれていると教えてもらい、早速みてみました。みると、先生を彷彿とさせる主人公がいるではありませんか。堤先生の言葉を思い出し、どうしてもご連絡取りたく、メールさせてもらいます。先生はよくおっしゃっていましたね。

「100人の命を救った」という医者は、200人の命を失っている。臨床医の診断率はよくて8割だけど、病理診断医の診断率は100%でなければならない。

私にはこの2つの話が印象的で、今でも頭の中に残っております。入学間もないとき、先生が深酔いされて切々と話されていた言葉を、主人公が話したので驚きました。「患者のためを思えば、間違ったことは間違いとしか言えない。それが病理診断医だ。」そう語っておられた当時の先生の姿が色鮮やかによみがえります。

先生を知る者であれば、ドラマをちょっと見ただけで先生がモデルだと気づきます。叱られながらも、暖かなまなざしで指導してくれた先生の姿を、私は忘れません。

 

2016年1月~3月にかけて、病理医を主役とするテレビドラマ「フラジャイル」が計10話、毎週水曜日の夜10時からフジテレビ系で放映された。原作は、講談社アフタヌーンに連載中の同名の漫画(原作:草水敏、漫画:恵三朗)である。おもな配役は、主役病理医の岸京一郎が長瀬智也、若手病理医の宮崎智尋が武井咲、臨床検査技師の森井久志が野村周平、女性外科医の細木まどかが小雪、慶楼大学の病理学教授の中熊薫が北大路欣也だった。病理医、岸の病理診断に対するモットーは「100%の病理診断」。”君が医者である限り、僕の言うことは絶対だ!”が決まり文句だった。「うち(病理)は10割出しますよ」のフレーズもよく使われた。視聴率は10%前後で、よくもなく悪くもなくだったそうだ。

 

漫画「フラジャイル」の連載が始まる1年前に原作者、草水敏氏が、大学の自室にいる私を訪ねてきた。病理医を主人公とする漫画を連載したいので、病理診断の粋、

病理医の姿などを教えてほしいとのことだった。おそらくそのとき、病理医の仕事の内容、とくに臨床医への電話や話し合いを欠かさないこと、医療における病理診断の重要性、正確な病理診断のニーズ、病理診断の危うさ(病理診断をどこまで信じるか)、病理診断科標榜にいたる苦難の道、病理医不足の現状、病理医や病理診断を知る市民の少なさなど、もろもろを熱く語ったと思う。そのうえで、私の実践「患者さんに顔のみえる病理医」の大切さもつたえた。著書や書き物もたくさんプレゼントした。

「確かに、私たち病理医が毎日“出会う”のは、患者さんから採られた検体(組織や細胞)であり、患者さん自身ではない。そのため、これまでは患者さんから見えにくい場所にいる“影武者”的存在だった。」「病理医は、頭のてっぺんから足の指先まで、体のありとあらゆる部分の病気をみる“横断的”な役目をもつ医者であり、精神科を除くすべての臨床科と付き合うことが運命づけられている。」「病理診断の対象となる病気はもちろん、“がん”だけではない。感染症やアレルギー、循環器疾患や遺伝病、皮膚病から婦人科疾患まで、ありとあらゆる病気が病理医の目の前に現われるのが日常的。」「病理医は、治療こそ“しない・できない”けれど、病気の成り立ちについて詳しい集団。ところが、専門医は全国で2,000人程度ととても少なく、多くの病理医はとても忙しい日常を送っている。」

白衣を着なくていい。ネクタイをしなくていい。自分のペースで仕事ができる。比較的時間がつくりやすいので女性向きの仕事かも知れない。5時にいったん帰宅して夕食のしたくをして、こどもたちを寝かしつけたあとで顕微鏡を覗くこともできる、といったこともつぶやいただろう。

その結果、8時~5時勤務の病理医ができあがった。白衣は着ていなかったが、ダンディーなDr.岸(長瀬智也)はいつもネクタイを締めていた。

「100%の診断」は重要なアイデアだった。Dr.岸の決まり文句「僕の言うことは絶対だ」は現場で言えた試しはないが、病理医なら一度は言ってみたいセリフである。長瀬くんのようなダンディーな病理医は日本にはいないが、どうやら、番組に釘付けとなった私を含む全国の病理医に共通の認識だったかも知れない。

そう、これまで、(一社)日本病理学会がどんなに努力しても達成できなかった広報活動を、軽々とこなしていた。テレビの力が実感された。ある意味、日本中の病理医と病理検査技師が番組をエンジョイし、番組スタッフに心から感謝していると思う。本当にありがとうございました。

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